さつきの偏り語り

とある書店員の好きな本を適当に呟くブログです。

信長を殺した男

 

 

こんにちは。さつきです。

 

昨日……投稿しました「何度、時をくりかしても本能寺が燃えるんじゃが!?」

異様にアクセス数が伸びてて、小心者のワタクシめは、

「えっえっ💦 なんでなんで?💦 私、なんかアカンことした!?」

って焦ってもうたんですが。

 

つ、Twitterで、原作の井出さんと漫画の藤本さんが、「いいね」してくれておりました。

うわあああ💦 なんかすみません、すみません💦

勢いだけで書いてる感想なので、気に障っていなかったらいいのですが(がくぶる)

いやでも、本当、面白かったんです。何回も読み返しております。

 

そんなことがあり、内心「嬉しい~~💓」な気持ちのまま、本日も戦国関係で。

 

それが、こちら。

 

信長を殺した男(第1巻) 本能寺の変431年目の真実 (ヤングチャンピオンコミックス) [ 藤堂裕 ]

 

「信長を殺した男~本能寺の変431年目の真実」

原案/明智憲三郎 漫画/藤堂裕

 

昨年の大河ドラマ麒麟がくる

私、てっきり、「麒麟」って単語から、こちらのコミックが原作だと思ってたのに。

違ってたよね。びっくり。

 

あくまで、『信長を殺した男』と『麒麟がくる』は違うものだとは思うんだけれども(

光秀の子孫でもいらっしゃるらしい明智憲三郎さんのTwitterやもろもろで確認)。

なら、麒麟ってタイトルにつけてほしくなかったな……、と思ったり。

私、コミック読んで、

「おおっ、あの麒麟を出してくるとはっ」

って感動したのにさ。ふっ。

 

まぁ、でもドラマはドラマで面白かったし、なんならドラマで秀吉を演じた佐々木蔵之介さんにいたっては、コミックの秀吉かっ!?ってぐらい、顔つきが似てた気がするのよね(笑)

 

 

さて。話を戻しますよ。

 

こちらのコミック。先ほどもちらりと述べましたが、原案は明智光秀の子孫という話の、明智憲三郎さんです。

この子孫説もいろいろ言われてはいるようなのですが、まあ、どちらでも私的にはいいのですよ。

だって、……ええと、誰だっけ、芸能人にもいたよね。明智光秀の子孫。

戦国時代の人達は、とにかく子どもが多かったりなんだりするので、あちこちに子孫がいてもいいと思うのです。

 

かくいうこのさつきも、母方の祖母が徳島の山奥出身でして。苗字は伏せますが、平家の落人で、姫筋の落人だった、という話を小さな頃から聞かされております。

 

祖母が小さな頃には(戦争前)、山もあれば、鎧や刀、様々な掛け軸や着物などたくさん持っていたらしいんですが、すべて戦争で燃えてしまった、という話です。

 

これも本当かどうかはわからないんですが、まぁ、でもどっちでもいいや、って感じなわけです(笑)

 

また話ずれたよ。

 

でですね。この『信長を殺した男』。読むと面白いんですよね。目からうろこな話ばかりで、個人的には、ですよ。個人的には、

 

「やっぱりなっ!」

 

って感じだったんですよね。

昨日のブログにも書きましたけど、私は本当に幼い頃から、秀吉ってうさん臭くて仕方がなかった人物の1人なんです。(秀吉が好きな方、本当にごめんなさい。これはあくまで個人的なイメージの問題です)

 

なんでだろ。直感?(笑)

 

それが、少しずつ大きくなっていくうちに、いろんな小説やもろもろから知識を得始めて、やっぱり秀吉はちょっとおかしいと。

光秀は愛妻家説などが出てきたりして、思っていたよりもいい人ではないか、と、小さな私は思ったわけです。

 

そういう疑問が、すっかり解消されたって感じのお話でした。

 

うーん。ただ難しいのは、歴史の嘘本当は本当にわかんないものなんですよね。

今の時代でも、迷宮入りの事件とかいくつもあるわけです。それらを解明できないままでいたりします。

 

それなのに、何十年も、何百年も昔の真実を、いくら調べ上げたところでわからないと思ってるわけです。

学校で学ぶ歴史的にはこういう流れ、であっても、実はその発端の出来事は違うことで、仕方なくこういう流れになったのかもしれないし。そうなると、その場にいた人達の心情も違ってくるものだと思いますし。

 

このコミックで言えば……。

 

本来の光秀という人物は、自分をいじめる信長が憎くて反逆した、という流れがありました。私もそんな風に学んだ気がします。

 

ですが、コミックによれば、唐入りをたくらむ信長の野望をなんとかして止めなければ、という思いで反逆した、という流れになっています。

 

なんなら、昨日の『本能寺が燃える』では、四国の長曾我部を攻めないようにするために、という流れがあったりします。

 

ね。これだけでも、様々でしょ。だから、本当のことなどきっとわかんないですよ。

確かに信長は本能寺で光秀という人に討たれてはいるけれど、その中にあったドラマっていうのですかね。背景っていうんですかね。そういうものね。

 

だから、いろんな説があっていいと思う。それはそれぞれで『なるほどな』だろうし。

 

うーん、本当に歴史って難しい。そして、奥深い。だからこそ、私は歴史に惹かれるのかなぁ、とも思います。

 

関係ないですが、今私が一番知りたいのは、ツタンカーメンの本当の死因です。←本当関係ない

 

 

いやん。また話それた。

 

とにかく、嘘か本当かはおいといて。

読んでみてください。面白いです。なるほどぉぉぉぉ、って感じがします。

 

大河ドラマでは、光秀はもしかして生きていた説、で終わっていましたが(これはこれで大好き)、コミックでは晒し首のされ方まできっちり描かれています。

 

印象的なのは、物語の最期。

 

本編の最期は、光秀に加勢できなかった家康が、光秀の重鎮だった斎藤利三の子どもたち、その末妹の『福』と自らの息子、秀忠とは合わせ、子を産ませたとしています。

 

福というのは、あの有名な春日局であり、その子が家光だというわけです。

(これは、『松のさかへ』という、東照宮御文の写しに家康が書いていたとコミックでは書かれています)

 

そして、家康が家光に言うのです。

 

「貴様の中には、この家康と光秀殿の意志が流れている」

 

と。だから、光秀と家康が交わした約束――天下泰平を成し遂げろ、と。

家光はそれから200年以上も続く江戸幕府を定着させ、天下泰平を成し遂げました。

 

うーん。なるほど! 

『家光』という名も『家康』と『光秀』から取ったと思えば、これまた、なるほど!

 

いやあ、面白いですね。

 

でもこれだと、私がキャッキャッと喜んでいた、お江から徳川に続く『織田信長』の血説が無くなってしまい、ちょっと残念でもあります。

 

どちらも、あってもおかしくない流れですね。すごいなぁ。

 

さらに、エピローグでは、秀吉が光秀を最終的に裏切ってしまった形になっちゃった細川さんと徳川さんを呼んで、

「全部光秀が悪いってことにしちゃおうぜ」

みたいな提案をして、今の歴史になった、ということも書かれています。

これも、なるほどなぁって感じで。

 

とにかく、なるほど、と何回も思ったお話でした。

それを信じるかどうかは、読んだ人の気持ち次第だとは思いますけどね。

 

 

あと、絵もとても綺麗っ!

細かいところまで書き込まれる漫画家さんは、本当に尊敬します。

いっとき、トーンにばかり頼りまくってる(背景のビルまでトーン)漫画家さんがたくさんいた時代は、なんかもう悲しくて仕方がなかったわけですが。

 

やっぱり、これぐらい描き込んでくれていると、見ているこちらも惹き込まれますね。

 

さて。この『信長に殺された男』には番外編もあります。

 

信長を殺した男外伝 乱世の麒麟たち (ヤングチャンピオンコミックス) [ 藤堂裕 ]

 

こらちも面白いですよ。

 

総評として、私はとても面白い作品だと思いました。

文庫の方も読んでみたいな。