さつきの偏り語り

とある書店員の好きな本を適当に呟くブログです。

ぼくたちの離婚

どうもさつきです。

どえらい本を買ってしまいました(がくぶる)

 

いつものように、書店の棚を綺麗綺麗していたところ、新刊として入荷されている本に気づきました。

 

最近のコミックはあれですよね。お試し読みの小冊子がついていたりなんかするんですよね。あれ、ありがたいですよね(笑)

 

そんなわけで、最初はちょっとした興味だけで見本を見たんですが、なんとまぁ……なるほどなあ、という内容だったため、そのままレジへもっていってしまいました(笑)

 

その名も、

 

ぼくたちの離婚 1 (ヤングジャンプコミックス) [ 稲田 豊史 ]

 

ぼくたちの離婚

原作/稲田豊文 漫画/雨群

 

はい。タイトルのまんまです。

ただ、よくある離婚のエピソードを集めたコミックなどと違うのは、視点が男性目線なところかな。

女性の話もありますが、基本的には男性目線でのそれぞれの離婚がテーマのようです。

 

 

さて。感想などを述べる前に、ワタクシ事を1つ。

 

かくいう私もまた、離婚経験者の1人です。

なんと言いますか、離婚はいろいろあってすんなりと行われましたが、それまでがあまりにもモラハラがひどかったので、二度と結婚はしたくない、という強い思いで15年以上は経ちました。

 

そんな経緯を持っているワタクシの感想となります。

 

(帯に賛否両論と書かれていたのは、そういうところの違いもあるのかなぁ、と思って)

 

 

第一巻には、四人の男性と一人の女性の離婚話が掲載されていました。

 

率直に言いますと、

「やっぱり、男性の脳と女性の脳は、構造も仕組みも違ってて、なんなら素材も違うのかもしれない」

というのが、一番の感想でした。

 

なんだろうな。我慢するところや、暴れちゃうところとか。うーん。違う生物なんだろうなあ、って。

 

恋愛指南本の作家さんである、ジョン・グレイ氏の本に、こんなタイトルの本があります。

ベスト・パートナーになるために (知的生きかた文庫) [ ジョン・グレー ]

 

 

ベスト・パートナーになるために

男は火星から、女は金星からやってきた

著/ジョン・グレイ 訳/大島渚

 

頭に残ったのは、この「男は火星から、女は金星からやってきた」というワンフレーズです。

もうね、この言葉に集約されてるよね。男と女って。

 

そもそも、違う星で産まれた者同士なんですよ。多分育った環境も違えば、見ていて景色も違うし、姿かたちも違うかもしんない。

 

そんな2人が地球という星でばったり出会い恋をするわけです。

そりゃあ、何もかもが違っていて当然ですし、お互いに理解できなく当然ですよね。

 

火星ではとても水を欲していても、金星ではありあまるほどの水があり価値のないものと思われているかもしれない。

 

それぐらいの価値観の差もあるかもしれません。

 

うわああ、なるほどなぁ、と思ったものです。

 

そんな言葉を思い出させてくれたコミックでした。

 

 

あと、もう1つ思い出したことがあります。

 

いつかどこかで読んだのですが(多分、男性の脳と女性の脳の違いかなんかの本でした)。

 

女性は男性と別れてからしばらくはショックで落ち込みます。しかし、しばらくすると、そんな過去は忘れるようにして前向きになる確率が高いと言います。

 

逆に、男性は別れてすぐはせいせいしたとばかりに元気になるのですが、しばらくすると悲しみが押し寄せてきて、尾を引きずるのです。

 

私の周りにも、未だに学生時代の恋愛相手のことを思い出してはしみじみ語る男性がいます。どうしても忘れられないんですと。

 

きっと相手も自分のことを忘れられないに違いないと言ったりもしています。

 

そこで、別れた原因を聞いてみましたところ。

どうやら男性の度重なる浮気が原因だったのではないかと……。

「よく、浮気相手と会おうとしたら、ストーカーみたいについてきて邪魔された」

とか笑いながら武勇伝のように語っていましたが。

 

 

いやあ。別れは青天の霹靂のようにやってきた、とか言ってましたが、違うな。

女性は長い間苦しんで、ようやく出した結論が別れだったんでしょう。

なんでも結婚の話をされても逃げてたとかいうてましたしね。男性が。

女性はこのままでは埒が明かないと思ったことでしょう。

 

そんな風にして別れた相手のことを、未だに思い続け、会いに行こうかな、喜んでくれるかな、とかいうてます。

 

私は、「一度会いに行ってみたらよろしい」とだけ告げてます。

そしたら現実を知ることでしょう

女性側はそんな大変な目にあっていたのなら、きっともうその男性のことは忘れてます。

 

私よく男性に言うのですが、

 

男性が原因で別れた後、男性は良い思い出だけが何故か残りがちです。しかし、女性は悪い思い出だけがピックアップされて残ってしまいますよ、と。

 

さきほどのお話の知人男性の場合も、きっと女性側は彼を思い出すとき、浮気された時の悲しさや、結婚話を避けられた時のショックなどしか思い出が残っていないと思います。

 

今更あっても、思い出したくない過去の男性としか思われていないので、嫌な顔をされることでしょう。

 

本能云々で仮説を立てると、女性はより優秀な種を持つ異性との交尾で優秀な子孫を残したいと思うという話を聞いたことがあります。

 

男性が浮気するのは狩りをするのが本能だからだ、というふざけた話と似たりよったりなのですが(笑)

 

ただ、その本能があるのなら、きっと上記の男性はその女性から、

 

「お主の種は優秀ではなかったので用済みです」

 

ということであり、すぐに忘れてしまうのだろうなあ、と思う次第です。

 

 

おとと。なんだか女性の味方ばかりをしてしまうお話をしてしまいましたが、最後に男性の味方もしてみます。

 

このコミックを読んで、やっぱりな、と思ったのは、男性って純粋というか、純情なところが残っているというか。

「奥さん」については、「俺の嫁がそんなはずはない」と言った感じで、100%信じてるところがありますよね。

それってすごいことだな、と思うのです。

 

その気持ちに応えられる奥さんとの結婚生活なら、きっと離婚なんかしなくてもいいんだと思います。信じあえる家庭って、理想です。きっとなんの不安もない。

 

コミックの男性陣もそんなところがあり、女性が浮気したり、理想と違ってきても、なんだか信じているところが見えていました。

 

それを考えると、女性の方がしたたかな生き物だな、というのがよくわかります。

 

まあ、結論として。

 

離婚に至るまでの理由は、夫婦それぞれであり、そこには「事実は小説よりひどい。」(「妻のトリセツ」「夫のトリセツ」著者・黒川伊保子さんによる帯の言葉)内容があったりで、一概にこれだとは言えないということ。

 

中には、離婚して当然だー、ということもあれば、なんでそんなことで? と思うこともあるでしょう。それこそ、その夫婦それぞれの理由があるからなんでしょうね。

 

ええ。ワタクシは二度と結婚はしたくないと思っています(笑)

 

一応、十何年のお付き合いのパートナーはいますが、どちらも結婚は考えていません。

もう一度だけでコリゴリさー。

結婚してないから、程よい距離感で長く付き合えているのかもしれないですしね。

 

コミックの中の唯一の女性も、もう結婚するつもりはないと言ってました。私とは理由が違うようではありますが、それもまた1つの離婚後の生き方です。

 

とまぁ、なんだかんだと色々考えさせられるコミックでした。

 

こちらには、どうやら原作の小説版もあるようです。

 

ぼくたちの離婚 (角川新書) [ 稲田 豊史 ]

 

こちらもぜひ、読んでみたいですね。